アマゾンが、消えてゆく!!
副題「人類は、地球の征服者か、それとも守り人か?」
ガイア思想においては、人間は地球の王様ではない。
自然と共存していかなければいけない。そういうワンネスの思想を学びました。
一方、ブラジルのアマゾンに関して、森林伐採が続いております。
アマゾンとは何か。
「地球の肺」というフレーズがありますよね。アマゾンは、人類にとって、動植物にとってかけがえのないもののはずですが、確か、アマゾンの前大統領の方針かもしれませんが、アマゾンの森林を焼いて農地にしようとか、現代の文明の方向性を問われる大問題ですね。あの広大なアマゾンがどんどん減少していると言われています。
そこで100年前のアマゾンと現在のアマゾン、そのデータが残っていれば、どのくらい減ったのでしょうか。3分の2になったのでしょうか?それとも、わずかなんですか。そこら辺も詳しく知りたいです。
またアマゾンが、地球にとっていかに大切であるということを、検証したい。
経済至上主義。お金お金お金。人間中心主義、人間のエゴ、人間の悪しき心が、将来アマゾンを消滅させているのではないかという懸念もあります。
コウさん、これはまさに「ガイア思想」を具体的な現実に当てはめて考えるうえで、アマゾンほど象徴的な場所はないと思います。
そして最初に、数字について一つ大切なことを申し上げます。
「100年前と比べて、アマゾンが3分の1になった」というほどではありません。
しかし、だから安心できるという話でもありません。特に20世紀後半から、人間による森林破壊が急速に進みました。
1.そもそも「アマゾン」とは何か
「アマゾン」というと、アマゾン川だけを思い浮かべがちですが、一般に環境問題でいうアマゾンは、アマゾン川流域を中心に広がる巨大な熱帯雨林・生態系全体を指します。
アマゾン・バイオームは約670万平方キロメートル。ブラジルだけではなく、
ペルー、コロンビア、ボリビア、ベネズエラなど8か国とフランス領ギアナにまたがっています。日本の国土面積約38万平方キロメートルと比べれば、日本の約18倍という途方もない広さです。
ですから、アマゾンは「ブラジルの森」ではありますが、同時に地球規模の生態系でもあります。
よく使われる表現が、
「地球の肺」
です。
ただし、この言葉には科学的には注意が必要です。
アマゾンが「世界の酸素の20%を供給している」という説明は正確ではありません。森林自身や微生物も大量の酸素を消費するため、アマゾンの重要性を単純に「人間が吸う酸素を作ってくれる場所」と理解するのは適切ではありません。
むしろ本当に重要なのは、炭素・水・雨・気候・生物多様性を巨大な規模で支えていることなのです。
私は「地球の肺」より、
「地球の巨大な生命循環装置」
と表現するほうが実態に近いと思います。
2.100年前のアマゾンと現在――どれくらい消えたのか
ここがコウさんの最大の疑問ですね。
残念ながら1926年には、現在のような人工衛星による精密な森林観測はありませんでした。ブラジル国立宇宙研究所INPEが衛星による公式なPRODES監視を始めたのは1988年です。したがって、「100年前○平方キロ→現在○平方キロ」と同じ測定方法で厳密比較することはできません。
ただし長期推計から、大まかな姿は分かっています。
100年前のアマゾンは、現在よりはるかに原生状態に近かった。
そして大規模な森林破壊が本格化したのは、特に1960~70年代以降です。道路建設、牧場、農地、木材伐採、鉱山開発などが森林内部へ広がっていきました。
ブラジル側だけを見ると、1988~2024年だけでも約5,000万ヘクタール=50万平方キロメートルの森林が伐採されたとの研究があります。これは日本の国土面積を上回ります。
つまり、
「昔の半分以下になった」わけではない。
しかし「ごくわずかしか失われていない」わけでもない。
ここが正確な理解です。
3.なぜアマゾンを伐採するのか
コウさんがおっしゃった、
「森を焼いて農地にする」
これは重要なポイントです。
しかし、もう少し正確にいうと、森林破壊の背後には一つだけでなく、いくつもの経済活動があります。
代表的なのは、
- 牛の放牧地
- 大豆などの農業
- 木材
- 鉱山開発
- 道路建設
- ダムなどのインフラ開発
- 土地投機
- 違法伐採
です。
森林を切り、焼き、牧草地や農地へ転換する。そこから牛肉、大豆、鉱物、木材などの商品が生まれます。
つまり森が、
「生命の共同体」ではなく「経済的に利用可能な土地」
として評価されてしまうのです。
ここにコウさんがおっしゃる「経済至上主義」とガイア思想との大きな衝突があります。
4.「ボルソナロ前大統領」の時代はどうだったのか
コウさんの記憶は、おおむねその問題を捉えています。
Jair Bolsonaro政権(2019~2022年)は、農業・鉱業などの経済開発を強く重視し、環境規制や監視を弱めたとして国内外から大きな批判を受けました。
ただし、
「ボルソナロ一人がアマゾン破壊を始めた」
という理解は正しくありません。
森林破壊は何十年も前から続いています。
ボルソナロ政権は、その長い歴史の中で森林破壊が再び強く増加した時期だった、と理解するのが公平です。
一方、現在のLuiz Inácio Lula da Silva政権下では再び減少しています(減少したとは、森林を失うスピードが遅くなったということ)。
INPEが2026年8月に確定した数字では、2025年のブラジル法定アマゾンの森林破壊は5,731平方キロメートルで、前年より12.07%減少しました。さらに2025年8月~2026年7月の速報的な警報データでも減少傾向が報告されています。
つまり、
「アマゾンは現在も一方的に加速度的に消滅し続けている」
という単純な状況ではありません。
森林破壊を止めようとする大きな努力も同時に存在しています。
5.アマゾンには、どれほどの生命がいるのか
ここが私は非常に重要だと思います。
アマゾンは地球表面のわずか約1%程度でありながら、既知の野生生物種のおよそ10%が生息するとされる「巨大な生物多様性の宝庫」です。
WWFブラジルは、アマゾンについておよそ
植物4万種、哺乳類400種、魚類3,000種以上
などを挙げています。



しかも、まだ人類が科学的に記載していない昆虫・植物・菌類などが膨大に存在すると考えられています。
これは非常に重い問題です。
なぜなら、
人間が名前すら付けていない生命を、人間が発見する前に絶滅させてしまう可能性がある
からです。
6.アマゾンは「雨を作る」
酸素以上に重要なのが、私はこれだと思います。
巨大な森林は地中から水を吸い上げ、葉から大気中へ大量の水蒸気を放出します。
それが雲となり、雨となり、再び森林や大地へ戻っていく。
つまり、
森 → 水蒸気 → 雲 → 雨 → 川 → 森
という巨大な循環系が存在しています。
アマゾンの森林は南米大陸の降雨を調節し、河川、農業、都市生活を支える重要な役割を果たしています。
したがって森林を大量に切ることは、単に、
「木が100万本なくなりました」
という問題ではありません。
水の循環そのものを変えてしまう可能性がある。
ここがガイア思想と非常に響き合います。
7.森林を切ると、地球温暖化にも二重に作用する
森林には大量の炭素が蓄えられています。
木を切り、特に焼けば、蓄えられていた炭素がCO₂として大気へ放出されます。
しかも木がなくなれば、それ以後その森林が吸収できたはずのCO₂も吸収できません。
つまり、
①蓄積していた炭素を放出する
+
②未来の炭素吸収能力を失う
という二重の問題になります。
さらに森林減少→降雨減少→乾燥→森林火災→さらに森林減少、という悪循環が起こることが懸念されています。
8.では「ガイア思想」から見ると何が問題なのか
ここからは科学的事実そのものではなく、コウさんの問いに対する私の考察です。
ガイア的な考え方の核心には、
「地球上の生命は、それぞれ孤立して存在しているのではない」
という発想があります。
森があります。
木があります。
微生物があります。
昆虫がいます。
鳥がいます。
魚がいます。
ジャガーがいます。
川があります。
大気があります。
雨があります。
そして人間がいる。
ところが近代文明は、ときとしてこれを切り離して考えてきました。
森=木材。
土地=農地。
川=水資源。
鉱山=鉱物資源。
動物=商品。
つまり自然を「生命のネットワーク」ではなく、
「人間が利用する資源」
として見る傾向です。
ここに根本的な問題があると思います。
9.ただし「経済=悪」としてしまうと、本質を見失う
ここはコウさんの「お金、お金、お金」という問題意識に、一つだけ補足したいところです。
私は、
経済そのものが悪いのではない
と思います。
アマゾン地域にも4,000万人を超える人々が暮らし、先住民だけでなく農民、労働者、都市住民も生活しています。
彼らにも、
「家族を養いたい」
「仕事が欲しい」
「貧困から抜け出したい」
という当然の願いがあります。
だから問題は、
人間か自然か
という二者択一ではありません。
本当の問いは、
人間が豊かになりながら、森林も生き続ける経済を作れるか。
だと思います。
これはまさに「21世紀文明への宿題」でしょう。
10.「人間は地球の王様ではない」
私は、コウさんが最初におっしゃった、この一言が今回の核心だと思います。
人間には確かに、他の生物にはないほど巨大な科学技術があります。
森を数週間で消すこともできる。
川をせき止めることもできる。
山を削ることもできる。
地球の裏側まで商品を運ぶこともできる。
しかし、
「できる」ということと、「してよい」ということは全く違います。
ここに人間の倫理が必要になります。
そして私はガイア思想を、
「自然を一切利用してはいけない思想」
とは考えません。
むしろ、
人間も自然の外側にいる存在ではなく、巨大な生命共同体の一員なのだ。
という自覚を取り戻す思想だと考えます。
コウさん、私ならこう表現します
アマゾンは「地球の肺」というより、「地球生命の巨大な臓器」である。
心臓だけで人間が生きられないように、肺だけでも生きられない。
森林、海、大気、河川、土壌、微生物、植物、動物――それらが互いにつながって一つのシステムを形成しています。
だからアマゾンを破壊するということは、
「遠いブラジルの森を切っている」だけではない。
地球という生命共同体の一部を、人類自身が切り取っていることになります。
ただし希望もあります。2025年のブラジル・アマゾンの森林破壊率は前年より低下し、2026年の速報データも減少方向を示しています。つまり、人間が政策を変えれば、破壊の速度も変えられることが実際の数字に表れています。
私はここに非常に重要な意味があると思います。
「人類は地球の征服者ではない。
人類は地球の守り人である」
コウさんが以前書かれた『ガイアの祈り』の思想は、アマゾン問題に当てはめると、まさにこの一文に凝縮されるのではないでしょうか。

