第15弾「黄輝光一VS保江邦夫」
――二人はどこから出発し、なぜ「神・魂・死後世界・愛」で交わったのか
はじめに――驚くほど似ている二人
今回、理論物理学者・保(やす)江(え)邦夫氏について調べ始めたとき、私が最初に感じたのは保江氏は、「不思議な人物だ」ということでした。
保江氏は理論物理学者であり、大学教授として研究生活を送ってきた人物です。
ところが、その保江氏が語っているのは物理学だけではありません。〔彼の、詳しい履歴は、最後にあります〕
宇宙、UFO、意識、魂、死後世界、神、祈り、そして愛。
調べれば調べるほど、私――黄輝光一が長年考え続けてきた問題と重なってきました。
しかし、二人が歩いてきた道はまったく違います。
その二つの道を比較してみたいと思います。

1 同じ1951年生まれ
まず興味深いことに、二人は同じ1951年生まれです。
黄輝光一――1951年2月16日生まれ。
保江邦夫――1951年9月27日生まれ。
ほぼ同じ時代を生きてきました。
しかし、その人生は大きく違います。

2 原点は、二人とも「宇宙」
私の思想の原点は、少年時代の疑問でした。
「この世界はいったい何なのだろう?」
10歳ごろから私は、
「なぜ?」
「なぜ?」
「なぜ?」
と考えるようになりました。
望遠鏡で夜空を眺め、図書館では天文学や宇宙に関する本を読みました。
最初の大きな問いは、
「この大宇宙とは何なのか?」
だったのです。
驚くことに、保江邦夫氏も宇宙から始まっています。
少年時代のUFO体験をきっかけに宇宙へ強い関心を持ち、東北大学理学部天文学科へ進み、その後、京都大学・名古屋大学大学院で理論物理学を研究しました。
つまり、
二人とも「宇宙への疑問」から始まった。
ここが最初の大きな共通点です。

3 ところが、その後の道は正反対
ここから二人はまったく違う道を歩みます。
黄輝光一
宇宙への疑問
↓
現実社会
↓
金融機関・保険会社
↓
人間社会への疑問
↓
「自分とは何か」
↓
「神とは何か」
↓
「魂とは何か」
↓
「死とは何か」
↓
死後世界
↓
シルバーバーチとの出会い
↓
霊的摂理
↓
愛と奉仕
保江邦夫
宇宙・UFOへの疑問
↓
天文学
↓
理論物理学
↓
量子論
↓
素領域理論
↓
意識
↓
魂
↓
死後世界
↓
神
↓
宗教・神秘体験
↓
祈り
↓
愛
つまり、
黄輝光一は「人生経験から霊的真理へ」
保江邦夫は「理論物理学から霊的世界へ」
進んだと言えるでしょう。

4 「人間とは何か」
私は、人間を肉体だけの存在とは考えていません。
本当の人間とは霊的存在であり、肉体は地上生活をするための身体である。
したがって、
肉体の死=私の消滅
ではありません。
保江氏もまた、人間を肉体と脳だけで説明しようとはしません。
保江氏は「魂」を重視し、肉体以前から存在するものとして魂を考え、肉体の死後にも魂が存続するという方向へ進みます。
ここでも二人は大きく接近します。

5 「死とは何か」
私にとって死とは、
消滅ではありません。
肉体から霊が離れ、本来の霊的世界へ戻ることです。
保江氏もまた、
肉体の死=存在そのものの終焉
とは考えていません。
「魂は生き通し」「生命は永遠である」という方向の死生観を明確に語っています。
したがって、
「死によって人間そのものが消滅する」
という唯物論的死生観については、二人とも否定的です。

6 「あの世」はどこにあるのか
ここは重要な共通点です。
私が、シルバーバーチから学んだ霊的世界は、宇宙の遥か彼方にある場所ではありません。
この世とあの世は、距離によって隔てられているのではない。正に、リンクしています。
私は、これをテレビやラジオに例えます。
同じ場所に複数の電波が存在していても、受信する周波数が違えば「別の番組」になります。
この世とあの世も、それに似ています。
霊的波長・波動が違う。
だから通常の肉体的感覚では霊界を知覚できない。
保江氏も「あの世」を宇宙の遥か彼方にある場所とは考えていません。
この世とあの世は非常に近接しており、異なる構造・領域として存在するという方向で考えています。
ここは驚くほど近い。
しかし、説明方法には違いがあります。
私はシルバーバーチを基準として、
霊的波長・波動・存在状態
という考えを重視します。
一方、保江氏は、
素領域、高次元、完全調和、非局所性
など、理論物理学から拡張した概念を使って説明しようとします。

7 「波動・周波数・次元」
ここには重要な注意があります。
物理学でいう「周波数」と、霊学でいう「霊的波動」は、同じものだと科学的に証明されているわけではありません。
「霊界は○○Hzである」という科学的測定値が存在するわけでもありません。
したがって、
「別のテレビチャンネルのようなもの」
という説明は非常に分かりやすい比喩ですが、それ自体を現在の物理学による証明と考えるべきではありません。
同じように、
「霊界は別次元である」
という場合の「次元」も、物理学・数学における厳密なdimensionと同一とは限りません。
ここは科学と霊学を混同しないために重要です。

8 現代物理学は「あの世」を説明できるのか
私、黄輝は、量子力学が非常に重要なヒントを与えていることは認めます。
しかし、
量子力学だけによって魂や死後世界や神を証明できるとは考えていません。
量子力学から、
「神は存在する」
「魂は死後も存続する」
「神の本質は愛である」
という結論を直接導くことはできません。
ニュートン力学や相対性理論も、基本的には「物質世界の現象」を記述する理論です。
それをそのまま非物質的な霊界へ適用できるという科学的根拠は、現在ありません。
ここで保江氏は非常に面白い試みをしています。
現代物理学を捨てるのではなく、
物理学を足場として、その背後にある形而上学的領域まで理論を拡張できないか
と考えているのです。

9 「神とは何か」
ここでも二人は非常に接近します。
私にとって神とは、
宇宙を創造した根源的存在であり、宇宙を支配する絶対的摂理の根源です。
神の摂理は、人間の都合によって変化するものではありません。
そして、その根底にあるものが、
愛
です。
一方、保江氏は『神の物理学』において、
「完全調和の真空あるいは神」
という考えを提示しています。
宇宙の背後に存在する根源的な完全調和、基本法則を「神」と結びつけようとします。
したがって、
黄輝光一――「神・摂理・愛」
保江邦夫――「神・完全調和・愛」
という非常に興味深い接近が見られます。

10 「調和」の意味は少し違う
保江氏にとって「完全調和」は、宇宙論の出発点に近い重要概念です。
一方、シルバーバーチも「調和」を非常に重視します。
しかし、シルバーバーチの場合、
神=完全調和
という一つの概念だけで体系全体を説明するわけではありません。
大霊、摂理、因果律、自由意志、霊的進化、愛、奉仕、調和などが相互に結びついています。
したがって、
保江邦夫
「完全調和」から宇宙を説明しようとする。
黄輝光一
「神の摂理に沿うことによって調和が生まれる」と考える。
似ているようで、調和を置く位置が少し違います。

11 最大の共通点――「神」と「愛」
ここが私にとって最も驚いたところです。
保江氏は物理学だけで終わりません。
神、祈り、魂を論じ、最終的には、
「すべては愛」
というところまで進んでいます。
これは私の世界観と非常に近い。
シルバーバーチの教えにおいても、神と愛は切り離すことができません。
私は、
宇宙の根底にあるものは愛である
と考えています。
保江氏も別の道から「愛」という場所へ到達した。
これは偶然なのか。
それとも人間が宇宙・生命・魂・神を徹底して追究すると、最後には「愛」という問題へ行き着くのか。
非常に興味深い問題です。

12 しかし「神=愛」は量子力学が証明したものではない
ここは重要です。
保江氏が「神」「完全調和」「愛」を語っているからといって、
量子力学によって神や愛が科学的に証明された
という意味ではありません。
保江氏の場合、
理論物理学
+宗教
+神秘体験
+祈り
+武道
+人生経験
などを統合しながら、独自の世界観を作っています。
したがって、保江氏の「神・愛」は、
物理学だけから導かれた科学的結論ではなく、物理学を一つの出発点とした総合的・形而上学的結論
と理解するのが妥当でしょう。

13 そして最大の違い――シルバーバーチ
ここで二人の道は決定的に分かれます。
私の場合、
宇宙
↓
人間
↓
神
↓
魂
↓
死
↓
死後世界
と問い続けてきました。
そして、
『シルバーバーチの霊訓』
と出会いました。
私にとってシルバーバーチは単なる通過点ではありません。
長年自分が問い続けてきた問題に対して、最も包括的で整合性のある霊的世界観を提示したものとして受け止めています。
だからこそ私は、
「シルバーバーチの霊訓は、人類のバイブルである」
と確信するに至りました。
一方、保江邦夫氏については、現時点で確認した公開資料からは、
『シルバーバーチの霊訓』を読破した、あるいは思想形成に決定的な影響を受けた
という確かな証拠を確認できていません。
これは、
「保江氏はシルバーバーチを読んでいない」
という意味ではありません。
正確には、
「読破・傾倒・思想的影響を示す確かな公開資料を、現時点では確認できていない」
ということです。

14 もしシルバーバーチを知らずに到達したのなら……
ここに私は非常に大きな興味を感じます。
もし保江氏がシルバーバーチを思想的土台とせず、
宇宙
魂
死後世界
神
愛
という世界観に独自に到達したのであれば、これは非常に興味深いことです。
驚嘆すべきことです。
なぜなら二人は、まったく異なる道を登ってきたからです。

15 二人の思想形成の最大の違い
私は二人を、こう表現したいと思います。
黄輝光一――「収斂型」(いろいろな方向から考え、探究してきたものが、最後には一つの中心すなわち、シルバーバーチへ集まっていく)
人生経験、宇宙への疑問、宗教、哲学、死生観などを追究した結果、
シルバーバーチという一つの体系へ収斂していった。
一方、
保江邦夫――「統合型」
天文学、理論物理学、量子論、湯川秀樹、神道、キリスト教、武道、UFO、神秘体験など、
多数の思想・体験を統合して、独自の世界観を作っていった。
この違いは非常に大きいと思います。

16 詳細VS対比表
| テーマ | 黄輝光一 | 保江邦夫 |
| 生年 | 1951年 | 1951年 |
| 少年期の原点 | 宇宙への疑問 | 宇宙・UFOへの疑問 |
| 職業人生 | 金融・保険 | 理論物理学・大学教授 |
| 探究方法 | 人生経験+霊学 | 理論物理+宗教+神秘体験 |
| 人間=肉体のみ | 否定 | 否定 |
| 魂 | 肯定 | 肯定 |
| 魂の死後存続 | 確信 | 強く肯定 |
| 死後世界 | 確信 | 強く肯定 |
| あの世の場所 | リンクしている。表と裏 | 遠方ではない |
| この世との関係 | 異なる霊的存在状態・波長 | 近接する別領域・構造として考察 |
| 波動・周波数 | 宇宙も霊界も波動。 | 同じ意味での体系化は未確認 |
| 次元 | 異なる存在状態として理解 | 高次元・素領域を用いて考察 |
| 現代物理学 | 霊界を完全には説明できない! | 物理学を形而上学へ拡張 |
| 神 | 大霊・宇宙の根源 | 完全調和・宇宙の根源として考察 |
| 宇宙法則 | 神の摂理 | 根源的基本法則 |
| 調和 | 摂理に沿うことで生じる | 完全調和を根源に置く |
| 愛 | 神の根本原理 | 宇宙・神と強く結びつける |
| 祈り | 重要 | 重要 |
| 利他・奉仕 | 中心思想 | 愛を重視 |
| 霊的進化 | 中心概念 | 独自の霊性論 |
| 類魂 | 重要 | 同等の体系は未確認 |
| 再生 | 肯定 | 詳細比較が必要 |
| UFO | 中心ではない | 重要テーマ |
| シルバーバーチ | 人類にとってバイブル | 思想的影響は現時点で未確認 |
| 思想形成 | 収斂型 | 統合型 |
| 最終到達点 | 神・霊的摂理・愛と奉仕 | 神・完全調和・魂・愛 |

17 結論――別々の道から、同じ山頂付近へ
この比較を始める前、私は、ここまで二人が似ているとは思っていませんでした。
しかし調べていくと、
宇宙
人間
魂
死
死後世界
神
愛
という主要問題で、驚くほど接近していました。
しかし同一ではありません。
その違いは、
「何を根拠として、そこへ到達したのか」
です。
保江邦夫氏は、
理論物理学から出発し、宗教・神秘体験・武道・人生経験などを統合しながら、神・魂・愛へ進んだ。
私は、
宇宙への疑問と人生経験から出発し、神・魂・死後世界を問い続け、シルバーバーチという体系に出会い、そこに自分の長年の問いへの答えを見いだした。
したがって二人は、
出発点が似ている。
道は違う。
到達地点は驚くほど近い。
しかし、最後に手にしている「羅針盤」が違う。
これが、
第15弾「黄輝光一VS保江邦夫」
を通して私が見いだした、最大の結論です。

最後に
二人とも1951年生まれ。
少年時代に空を見上げ、
「この宇宙とは何なのか」
と考え始めた。
一人は社会という現実の中へ入った。
一人は理論物理学という学問の世界へ入った。
長い歳月を経て、
一人はシルバーバーチを通して、
一人は物理学とさまざまな体験を統合することによって、
魂は肉体だけではない。
死はすべての終わりではない。
宇宙には根源的秩序がある。
そして、その根底には「愛」という問題がある。
という非常に近い地点へやって来た。
それでも二人は同じ思想ではありません。
だからこそ、この比較は面白い。
同じ答えに近づいた二人が、なぜ違う道を歩いたのか。
そして、
人間が宇宙・生命・死・魂・神を徹底的に問い続けた先には、なぜ「愛」という問題が現れるのか。
第15弾の本当のテーマは、そこにあるのかもしれません。
【重要参考、保江邦夫名誉教授の学術研究実績】
保江邦夫――東北大学理学部(天文学)卒業。京都大学大学院理学研究科→名古屋大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。
専門は、理論物理学・数理物理学・量子力学基礎論。ジュネーブ大学講師→東芝総合研究所研究員→ノートルダム清心女子大学助教授・教授。⇒ノートルダム清心女子大学名誉教授(2017年~)
彼の、学術的業績。
保江氏の専門として特に重要なのが、
確率力学(stochastic mechanics)
確率変分法(stochastic calculus of variations)
量子力学の数学的基礎
です。1981年に国際的な専門誌 Journal of Functional Analysis に発表した
“Stochastic calculus of variations”
【教科書も相当数書いています】
これも重要です。日本評論社から、
『量子力学』
『解析力学』
『確率論』
『変分学』
『微分幾何学』
『連続群論』
『複素関数論』
など、本格的な数理物理学の専門書・教科書を多数執筆しています。
『量子力学』も、ヒルベルト空間、シュレーディンガー方程式、径路積分、確率力学、相対論的量子力学まで扱う専門的内容です。
【一般図書実績】
保江邦夫氏は一般向けの著書もかなり多い。その中から、今回の「黄輝光一VS保江邦夫」を理解するうえで特に重要な5冊を紹介いたします。
- 『僕は一生をかけて「神」を見つけたのかもしれない』
今回のテーマには、まずこれが一番です。タイトル通り、理論物理学者として「宇宙の背後にある基本法則」を追究してきた保江氏が、最終的に「神」という問題へどう近づいたのかを扱います。**「保江邦夫にとって神とは何か」**を知る入口として最適です。 - 『愛の宇宙方程式――合気を追い求めてきた物理学者のたどりついた世界』(2012年)
これは今回の比較では非常に重要です。保江氏が物理学、合気、UFO、宗教的・神秘的体験などを通して、最終的に**「すべては愛」**という考えへ至っていく本です。保江氏の「愛」の思想を知る原点的な一般書と言ってよいでしょう。 - 『ついに、愛の宇宙方程式が解けました――神様に溺愛される人の法則』(2015年)
上の本をさらに発展させたものです。特に今回話してきた**「この世とあの世」「素領域」「愛と祈り」**が結びついてきます。公式紹介でも、素領域を「この世とあの世」を包括する理論として扱い、愛と祈りについて論じています。
- 『神と人をつなぐ宇宙の大法則――理論物理学vs仏教哲学』(2016年、稲葉耶季氏との共著)
扱うテーマは、宇宙の成り立ち、魂、幽霊、波動、死、生まれ変わり、悟り、神なのです。まさに今回二人で議論してきた問題が一冊に凝縮されています。特に「波動」という言葉も実際にテーマとして登場します。
- 『神の物理学――甦る素領域理論』(2017年)
これは上の4冊より少し理論寄りですが、大学の専門教科書という意味での「学術書」とは違い、保江氏の世界観を知るための一般向け著作として重要です。**「完全調和の真空=神」「素領域」「霊魂」「生命」「愛・祈り」**まで一つの体系として論じています。
なお、保江氏にはこのほかにも『願いをかなえる「縄文ゲート」の開き方』など、神・あの世・魂・UFO・祈りを扱う一般書が相当数あります。
以上。

