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🖼️【父篠原勇雄(享年83歳)・絵画作品展】

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🖼️【父篠原勇雄(享年83歳)・絵画作品展】

チャーチャさま、いよいよですね。

父篠原勇雄。絵画厳選10作品の講評をよろしくお願い致します。作風は日本画で、舞妓や人物画が多いです。本人の孫や子供です。本人の履歴は、すでにチャーチャに、詳しく伝えてあります。3年間のシベリア抑留体験あり、実直な人柄。生真面目。サラリーマンにて、40年勤務(味の素株式会社)。お酒やたばこギャンブル、一切なし。絵画と庭園(花や木)が唯二の趣味です。

ChatGPT:

ありがとうございます、黄輝光一さま。
いよいよ、お父上・篠原勇雄画伯の厳選10作品、心して講評させていただきます。
先に、敬意を込めて、全体像の印象と芸術的な総評を述べ、その後に一作ずつ解説いたします。


  

🎨【総評】「静けさのなかに宿る情熱」〜篠原勇雄・魂の日本画〜

篠原勇雄氏の絵画群には、一貫した精神の清廉さと誠実さがにじみ出ています。
技巧に走らず、情緒に流されず、それでいて抑制された情熱と愛情が画面からじわりと伝わってくる。これは、まさに氏の人柄(堅実・実直・禁煙禁酒・花を愛し、戦争の体験を内包)を絵がそのまま語っているようです。

  • 人物表現においては、造形のリアリズムよりも「霊的な静けさ」や「内的な美しさ」を重視している。
  • 背景は抽象性をもち、人物の存在感を際立たせる金箔や淡い緑系が用いられ日本画の伝統と現代性が融合しています。
  • モチーフとなっているのは、孫や家族、舞妓など「日常の中の聖性」であり、それらが慈しむ眼差しで描かれています。

  

🖼️ 篠原勇雄 作品展

静寂の中に咲く、誠実なる眼差し―

篠原勇雄(しのはら・いさお)
1921年 大正10年3月30日。長野県小海生まれ。味の素株式会社にて40年勤務。
戦中はシベリアに抑留されるも、生還。生涯にわたり実直な生活を貫き、絵と庭と家族をこよなく愛した。
禁煙・禁酒・無ギャンブルという清廉な生き方は、作品にもあらわれている。
描く対象は身近な人物たち(妻、娘、孫)や日本女性、そして日常の美であり、日本画の伝統的様式の中に独自の温もりと精神性を融合させた稀有な画家である。


  

①《扇の舞妓》

日本画(岩絵具・金箔)/制作年不詳

華やかな舞妓の姿ながら、そこには一切の浮つきがない。
扇を添える指先の静かな動きの中に、伝統と女性の品格が宿る。
背景に敷かれた金箔は、彼女の内面の輝きを象徴している。


  

②《母子像 Ⅰ(青の母と幼児)》

日本画(岩絵具・彩色)/制作年不詳。黄輝の妻、京子と次女の美紀(孫)

抱きしめる手の力と、見つめる眼差しのやさしさ。
家族を描いた作品の中でもとりわけ深い慈愛がにじむ。

背景の柔らかな遠景も、母と子を包む世界そのもの。

篠原氏の愛情ある深い思いの籠った傑作である。


  

③《赤いヴェールの女性》

日本画(岩絵具)/制作年不詳。母やよひ像。

マリア像を彷彿とさせる厳かな構図。

母、やよひを、モデルにした作品。
赤いヴェールは情熱であると同時に、守りの象徴。
精神性と現代的感覚が交差する、象徴的な女性像。


  

④《舞の瞬間》

日本画(岩絵具・金箔)/制作年不詳

上げた手の動きが、舞の中の一瞬を切り取る。
袖口や帯の文様に至るまで丹念に描かれ、舞妓という存在の荘厳さと美しさが余すことなく表現されている。
金地の背景に、精神性が浮かび上がる。


  

⑤《桃色の着物の女性》代表作

日本画(岩絵具・金箔)/制作年不詳。三枝子像。

桃色の着物に身を包んだ女性(私の妹三枝子当時25歳)が、正面から静かにこちらを見つめる。
女性の瞳には、幼さと気高さが同居しており、帯や髪飾りの華やかさが彼女の清らかさを引き立てる。
篠原氏の装飾美と内面描写が融合した代表作。


  

⑥《紫陽花と少女》

日本画(岩絵具・和紙)/制作年不詳。孫の麻里

赤いワンピースに身を包んだ少女が、紫陽花をそっと手にして立つ。
背景の花々は生命と時の移ろいを象徴し、少女の存在がその中で確かな光として浮かび上がる。
魂の透明感を描いた一作。


  

⑦《浴衣の少女と団扇》

日本画(岩絵具)/制作年不詳。孫の麻里。

夏の記憶が画面全体に溶け込んでいる。
藍と白の浴衣に赤い帯、団扇の細部描写が、昭和の日本の風情を再現する。
少女の素直な表情と丁寧な筆致が、観る者に郷愁を呼び起こす。


  

⑧《石畳の上の少女》

日本画(岩絵具)/制作年不詳。孫の麻里。

上からの視点で描かれた、膝を折った少女の構図が印象的。
遊びの途中でふとこちらを見上げたような自然な瞬間に、日常の美しさが宿る。
傍らの郷土玩具が、幼少期の記憶を想起させる。


  

⑨《水彩による母子スケッチ》

水彩/和紙/制作年不詳。京子と次女美紀

線の軽さ、にじみ、余白。すべてが「描かれなかったもの」を語っている。
母と子という普遍のテーマを、最小限の筆致で最大限に表現。
静謐でありながら、深い余韻が残る。


  

⑩《白い花と赤い服の女性》

日本画(岩絵具)/制作年不詳。母やよひの若き頃。

満開の白い花を背景に、赤い服の女性が正面を見つめる。
静かながら芯のある視線が、彼女の内なる強さを語る。
花の中に座す女性は、まるで自然の一部となっているようでもある。


  

補足案内(展示時)

  • ※すべての人物は実の家族、あるいはモデルとして身近な人々を描いております。
  • ※篠原氏は生前、趣味としての絵画を生涯描き続け、展覧会出品歴もサロン・ド・ボザール展・現代美術展等、多数あります。これらは今なお遺された珠玉の私的作品群です。

🕊️ 終わりに:

篠原勇雄画伯の作品群には、「人を描く」ことによって「人の中の霊性」を描こうとした精神があります。
それは声高に叫ばれることのない、誠実な魂の祈りであり、
今なお、静かに私たちの心に語りかけてきます。


〔詩的結び〕

🕊【父の祈り】

花は咲き、
孫は微笑み、
舞妓は舞い、
母は抱きしめ、
画家は描きつづけた。

その絵に宿るものこそ、
彼の人生そのもの。

今も、どこかで描(か)き続けている

今も、どこかで、咲き続けている。
ひそやかな祈りのように——。