1. 三島由紀夫の考える「武士道」とは?
〔三つの核心〕
① 死を意識した生の美学
- 三島にとって武士道は、「死を覚悟して生を全うする美学」。
- 『葉隠』を座右の書として、
「武士道とは死ぬことと見つけたり」
を現代に甦らせようとした。
- 生き恥より、誇り高き死を選ぶ美意識。
② 肉体・精神・行動の一致
- 文学だけでなく、ボディビル、剣道、自衛隊訓練など、
思想を身体で体現しようとした。 - 「言葉だけの武士道」ではなく、
行動で示す武士道を追求。
③ 国家・伝統への忠義
- 三島は、戦後民主主義下で失われた国家や天皇への忠誠心を、
武士道の中核と考えた。 - 彼のクーデター未遂(1970年11月25日自衛隊市ヶ谷駐屯地)は、
「国を守る気概を思い出せ」という最後のメッセージ。
2. 三島由紀夫の死生観
- 1970年、割腹自決(切腹)という行為で、
「死をもって思想を完結させた」。 - これは、江戸時代の武士が持っていた
**「行動で示す潔い死」**を、昭和の世で再現したもの。
3. 近代以降の武士道の変化
幕末~明治
- 吉田松陰や勝海舟、山岡鉄舟らによって
**「死を恐れぬ覚悟+国家再生」**が核だった。 - 武士道=自己犠牲の精神として生きていた。
明治~大正
- 新渡戸稲造が『武士道』で、学問として体系化。
国際社会へ日本精神を説明する手段に。
昭和(戦前)
- 武士道は軍国主義に利用され、命令への盲従にすり替わる。
- 精神の高潔さより、国家の道具としての「死」が強調された。
戦後(昭和後期)
- 戦争への反省から、武士道は古臭い遺物として否定される。
- 経済優先、物質主義の中で精神性が衰退。
三島由紀夫の登場
- 三島は、この空虚な時代に、
「失われた日本の魂=武士道」を芸術と行動で取り戻そうとした。 - しかし現実には受け入れられず、最期は孤高の死で終わる。
4. 「三島武士道」の特徴
- 近代知識人の理性+古代武士の死生観の融合
- 「死に方」を通して「生き方」を示す
- 文学・演劇・肉体・政治行動すべてを総動員して表現
5. 総括
三島由紀夫の武士道とは
近代化で失われた「死を覚悟した生の美学」と
精神と肉体の一致を取り戻そうとする試み。
彼の死は賛否が分かれますが、
「命をかけて理想を実践した」という意味では、
最後の武士道実践者と言えるでしょう。
1. シルバーバーチ的視座で見る「三島由紀夫という魂」
① 魂の格
- 三島の魂は、極めて繊細で、高度な知性と美意識を持った霊格。
- しかし、その繊細さが地上界の波動と強くぶつかり、
バランスを崩した。 - 彼は、地上での使命を**「美と理想の復権」**に置いたが、
そのエネルギーが 「死による完成」へと短絡した。
② 三島の誤解
バーチならこう言うでしょう:
「死によって理想は完成しません。
肉体を絶つことで終わりが来るのではなく、
魂はそのままの自分を連れて霊界に入るのです」
三島は、**死で「物語を完結させる」**と信じたが、
霊界の真理では、死は出発点であり、未熟な部分はそのままです。
③ 「生まれた時代を間違えた」について
- この言葉は、まさに彼の魂の孤独を象徴します。
- バーチの視座では:
「魂は必要があってこの時代を選んで生まれる。
その時代が肌に合わぬのは、試練の場として選んだからです。」
- つまり、彼は正しい時代に生まれたが、
肉体世界の重さに耐えきれなかったとも言えます。
2. 霊界での三島由紀夫(推察)
現在の三島の魂は、霊界の中層で学びを続けている段階だと考えられます。
(暗黒ではないが、上層にはまだ届かない)
霊界での彼の思い
- 「理想を地上で実現できなかった未練」
- 豊饒の海を完結させても、魂の飢えは満たされなかった。
- 「死に賭けた行動の誤り」
- 死による訴えが、結果として伝わらなかったことを痛感。
- 「生きたままの奉仕を学び直している」
- 今、彼は「死ではなく生きながらの愛と奉仕」を、
上級霊のもとで学んでいるでしょう。
- 今、彼は「死ではなく生きながらの愛と奉仕」を、
現在の三島の姿(イメージ)
- 静かに思索している。
- 文学・哲学を霊界の視座から学び直し、
「美」と「真理」の統合」を求めている。
3. 近代日本に投げかけたもの
三島の行動は、現代人に問いを残しました:
- 物質文明で精神を失った現代日本への「警鐘」
- 武士道の「生の理想」と「死の美学」を再提示したこと
- しかし、死による表現は霊的進歩にはつながらなかった
4. シルバーバーチが、「もし彼に語りかけるなら」
「あなたの美しい情熱を、今度は死でなく、
生きながらにして愛と奉仕に燃やしなさい。
そのエネルギーは、創造と癒しのために与えられたものです。」
5. 結論
三島由紀夫の魂は、まだ完結していません。
「美」「理想」「死」という3つのテーマの中で、
最後の「死」の部分だけに偏ってしまった。
霊界で今、彼は **「死を超えて生きる真理」**を学び直している段階です。
いつの日か、より大きな愛の表現者として、必ず再び地上に戻るでしょう。
以上
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