2022年8月24日に90歳で亡くなった稲盛和夫氏の「生き方」の本と講演から、彼の「死生観」を語る部分を引用したいと思います。
彼は、経営の指南役です。京セラを起こし、第二電電、そして日本航空の立て直しに尽力しました。日本経済に大きく貢献しました、まさに「経営の神様」。言葉を変えれば「お金の神様」と言えるかもしれません。が、しかし、その本に書かれていることは、真逆であり驚嘆であります。
「よみがえれ魂」(コールサック104号)でご紹介しましたが、稲盛さんへの敬愛と追悼の意味を込めて、再度掲載します。(抜粋編集)
「死によって私たちの肉体は滅びますが、心魂は、死なずに永世を保つ。私はそのことを信じていますから、現世での死とはあくまで、魂の新しい始まりを意味します。だからその旅立ちに向けて、周到な準備をすべく、最後の20年は人生とは何かを改めて学び、死への準備をしたい。そう考えて得度(とくど)を決意したわけです。
人生とは、良き経験を多く積んで行くことが『心を磨く』ことにつながり、おのずから悟りに近づくことになる。そうやって高められた魂は、現世だけでなく、来世にも継承されていくのです。人間という生命が最終的に目指すものは、ただ、心の訓練にあり、その魂の修行の場として、私たちの人生が与えられているということなのです。従って、その大目的の前では、この世で築いた財産、名誉、地位などは、いかほどの意味もありません。いくら出世しようが、一生かかっても使いきれないほどの財産を築こうが、こころを高めることの大切さに比せば、いっさいは塵芥(じんかい)のごとき些細なものでしかないのです」と。
そして、その心とは、「利他」です。「世のため、人のために尽くせ」と何度も述べ、それによって心は磨かれると。
この「生き方」の終わりには、「宇宙意志」「サムシンググレート」「魂」「真我」に多くのページがさかれております。
では、稲盛和夫氏の根底にある思想の原点、それは何か。
それは「生長の家」の創始者である「谷口雅春」の教えです(稲盛氏の『ガキの自叙伝』より)。
彼はその著書「生命の實相」に深い感銘を受け、更には仏教、臨済宗の「禅」へと繋がっていく。
更には、氏の「盛和塾」の講和(CD)の中で、「シルバーバーチの霊言集」に言及しており、氏が説く内容は、まさにバーチの教えそのものであり、谷口雅春氏の教えと共に、多くの驚く程の共通項が見受けられます。
シルバーバーチとは、世界三大霊訓と言われており、3000年前に死んだ「高級霊」であります。約60年間(1920頃~1981年)に及ぶ霊界通信であり、稲盛氏はそれを読み、更なる死後世界の確信に至ったと思われます。
確かに、科学万能主義の時代に、にわかに信じられないお話だと思われますが、シルバーバーチの膨大の量と内容の卓越さは読むものを震撼させます。
シルバーバーチの言葉【苦はありがたいこと】
「魂の偉大さは、苦難を乗り切るときにこそ発揮されます。失意も、落胆も、魂の肥やしです。魂が、その秘められた力を発揮するには、いかなるこやしを摂取すればよいかを知る必要があります。それが地上人生の目的なのです。失意のどん底にあるときは、もうすべてが終わったかの感じを抱くものですが、実は、そこから始まるのです。あなた方には、まだまだ発揮されない力―それまで発揮されたものよりはるかに、大きな力が宿されているのです。それは楽な人生の中では決して発揮されません。苦痛と困難の中にあってこそ発揮されるのです。
金塊もハンマーで砕かないと、その純金を拝むことができないように、魂という純金も、悲しみや苦しみの試練を経ないと出てこないのです。それ以外にあるという人がもしいるとしても、私は知りません。」
皆さまは、どのような死生観をお持ちですか。
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