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【中村天風が語る。私の講義録】

エッセイ
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黄輝光一
黄輝光一

今回の講演にあたり、私なりに創作した講演実録です。

天風先生の多くの書籍を読み学び、天風イズムをみなさんの前で自分の言葉で語りました。

私は、中村天風である。

あなたが、この世におぎゃ~と生まれた時、まず第一に、考え至らなければならないことがあります。それは、「自分とは、何者か」ということであります。すなわち、

「人間は、どこから来て、どこに去っていくのか」、ということであります。

そして、第二に、人間は、この地球上に、何をするために生まれて来たのか。ということです。ズバリ、「人生の目的」であります。そして、このわが命とは、いったい何なのか?「この心とは、いったい何なのか」ということであります。

ノホホンと、一生を終える者。この様な、重大なる疑問に対して、なんら、探求することなく、分からないままに、快楽的人生を、良しとして、浮かれた人生を歩むならば、NHKの「チコちゃんしかられる」どころでは、済まされません。

いたずらに、尊き人生を無駄にした、「大バカ者」と言わざるをえません。そのようなものは、「生きる価値なし」と、ここに断言するものでございます。

とはいうもの、私は、「人斬り天風」と言われ、人を殺め、ひとのこころを傷つけ、けっして褒められるような人生ではありませんでした。若かりし頃は、傍若無人の限りをつくし、まあ、大バカ者と言われるような、親に見放されるような人物でありました。旧制中学では、ケンカに明け暮れ、正当防衛ですが、人を殺め、また、日露戦争にあっては、戦時下とはいえものの、人を傷つけ、曲がりなりにも、ほめられた人生ではありません。

では、このような男が、何ゆえに、天風哲学にめざめたか、

お話していきたいと、思います。

まず最初に、みなさまに、お聞きしたいこと、申し上げたいことは、皆さまは、「神」なるものを、なんと、心得ておりますか、ということです。

日本のアマテラスオオミカミ、「あみだにょらい」、イエス・キリスト、アラーの神、私は宗教家ではございませんが、なにが、なんでも、神頼み、祈れば、願いがかなえられる、どうか私を助けてください、ナミアミダブツと唱えれば「幸せ」になれると、まったくもって情けないほどの、お笑いぐさであります。

その前に、やるべきことがありませんか。人間として。

万物の霊長たるあなたが、尊い、かけがえのない命というものを、いかように考えておりますか。そのような、人まかせ、神まかせの「他力本願」で、「わたしは、生きておりま~す」とは、チャンチャラおかしいのであります。

私は、まっとうに生きておりますと、自信をもって言えますか?

                                                                                                          私は、人生において、死というものを、まったく「怖い」とは思いませんでした。そんなことでは、戦場では、とうてい戦えません。死というものは、我が眼中にありませんでした。が、しかし、日露戦争を経て、無事に日本に帰還した時、それは、実は、おのれが、未熟者だったこと気が付きました。

30歳の時、当時、不治の病である、結核にかかって、私は初めて、強がって生きてきた自分が、はかなくも弱い人間であることに、気が付いたのであります。

高熱、吐血、いつ訪れるか分からない「死」に、はじめて恐怖におののき、「何とか治してくれ」『死にたくない』という、七転八倒の思いに、苦汁の日々を送ったのであります。

当時、アメリカのマ―デン博士の著書「潜在力」の本に、深い感銘を受け、一大決心をして、密航してまでして、アメリカに渡ったのであります、当時の、アメリカの最新医学で、なんとかなおらないものかと、必死で探し求め、アメリカで、多くの人を訪ね、多くの医学書を読み漁りました。しかしながら、一向に治るすべはなく、いつ訪れるから分からない「死」におびえる毎日でした。私は、アメリカからロンドンに渡り、それで万策尽き、大いなる失意のうちに、日本に変えることにしました。

船旅のなかでの、寄港地エジプトにおいて、まさに、奇跡というか、必然というかインドのヨガの聖者「カリアッパ」師に巡り合ったのでございます。

この出会いこそが、私の人生の「命運」を大きく変えたのであります。1年と、6カ月にわたるの「行(ぎょう)と、瞑想」の中で、科学は絶対ではない。医学は絶対ではない。私は、この大自然の中に、目に見えないもの中に、真実があると直感したのであります。

インドの奥深いジャングル、ゴウゴウと割れんばかりの滝の音、野獣たちが出没する大自然の中で、私はひたすら瞑想にふけった。

ある日、大空に流れる白い雲を見つめている自分が、何者にもこだわっていない、「無私、無心」の境地にいることに気がついた。

大自然と自分が一体となって生きているのを感じた時、自分はその大自然の「力」そのものだと、力強く実感したのであります。

この世界は、自然の法則によって成り立っている、それは、大自然の法則であり、大宇宙の法則であり、その大いなる宇宙のエネルギーの本体。すべての生命体の元となる、根源的エネルギーの大本を、

その後、私は、「宇宙霊」と名付けたのであります。

宇宙エネルギーの本源、すべての生命の「力のみなもと」、それが「宇宙霊」であります。

そして、人間は肉体からなっておりますが、そのこころの本源が、

目に見えない「霊魂」であります。霊魂は、この宇宙霊とつながっており、そのエネルギーの受け皿が、霊魂であり、心のありよう一つで、すなわち、積極(せきぎょく)のこころで、この宇宙エネルギーを無限に獲得することが出来るのであります。

では、この霊魂とは、いったい何なのか。それは、人間とは、何かという問題に行きつきます。

私たちは、この肉体が、自分自身だと思っております。しかしながら、肉体は、単なる物質であり、受け皿、入れ物であります。その肉体に、人間は、翻弄され、病気になり、嘆き、苦しみ、悲嘆にくれております。実は、人間の本質は、肉体ではなく、さらに、心でもなく、こころの大本たる、「霊魂」という「気」なのであります。

そして、この宇宙エネルギー、生命エネルギーは、霊魂を通じて、肉体に流れ込めば、病気もたちどころに治る、ということです。

本当ですか、と思うかもしれません。本当です。

そのためには、この「宇宙の真理」を知らないといけない。

すなわち、私たちは、宇宙霊と共にあり、宇宙エネルギーをもらっている。我が、生命は、大宇宙の生命と通じている、しかも、霊長類の霊たる人間は、そのエネルギーの恩恵を最も受けているのであります。

そして、その宇宙エネルギーを、どうしたら受けられるのか。

それが、わたくし天風の哲学の、根源であります。

このエネルギーは、「積極のこころ」にこそ、大きなエネルギーが注がれるという、宇宙真理であります。

「人生は、心ひとつの置き所」

「絶対積極」

そして、それを完全に実現するための、実践項目が「心身統一法」であります。

悩めるあなた、眠れないあなた、病気に打ち負け、日々苦悩するあなた、

天風哲学の「絶対積極」を、おのれのものにすれば、本当の、ほんとうの幸せを、獲得できるのです。

本日は、誠にありがとうございました。

参考書籍

①運命を拓く

②君に成功を贈る

③中村天風事典 池田光

④まんがでわかる中村天風の教え

⑤中村天風 その人生と名言  他。

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