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人類への警告(十万年後の世界)

地球 エッセイ
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私の五階のマンションのベランダからは、百八十度のすばらしい景観が広がっています。まず前方には、川崎港、東京湾、さらには太平洋。そして高層マンション群。左側は、飛行機が行きかう羽田空港。右側には、晴天なら富士山が見えます。

そして、静かに目をつむって、夢想すれば、眼前には、その脳裏には、時空を超えて百年後の世界、千年後の世界、一万年後の世界、十万年後の世界が見えます。

しかし、その未来を想うに、大きな不安と懸念が交錯します。人類の行く末です。あるべき未来です。

人類は、産業革命以来、急速に文明社会を発達させてきました。それは、有史以来、驚くべきスピードで進歩してきました。

そして、人類の幸せは、その頂点をめざして、順調な足取りに見えます。

しかし、「みんな幸せですか」「世の中、良くなりましたか」と問えば、自信をもってハイと言える人は、どれほどいるのでしょうか。『考える葦(あし)』(パスカル)と言われる人間は、文明の道具により、多大の恩恵を得て、幸せになれると確信してきました。

私は昨年まで、三度、脳梗塞で倒れ、退職するまで、38年間金融機関と保険会社に勤務し、高度経済成長、バブル、金融崩壊と身をもって体験してきました。

不毛なる過当競争、終ることなき過大ノルマ、命令と服従の世界。弱肉強食の強欲世界。そこは、やすらぎとは程遠い世界でした。そして、この物資至上主義で働く多くに人々が、忙しさの中で、完全に自分を見失い、疲れ果てて、強度のストレスで、こころが病み、暗黒の世界で蠢(うごめ)いております。

2011年3月11日、千年に一度といわれる東日本大震災では、約2万人の人々が尊い命を失いました。しかし、その一方でその同じ年には2万人以上の人たちが「自殺」しました。しかも、その数はその年だけではなく、なんと34年連続です。もう一度言います。34年連続です。

毎日、3人が電車に飛び込んでいます。

これって、何かおかしくないでしょうか。

私には、山手線の先頭車両には、たくさんの「黒い喪章」がはっきりと見えます。

私たちが、一番心配しなくてはならない事は、自然災害でも交通事故でもありません。「自分が自殺する事です」他人事ではありません。

この社会は、今病んでいます。この国は、今病んでいます。生きる喜びが見い出せない、自分が社会に必要とされているのか分からない。家族も、社会も、だれも相手にしてくれない。人生の目的も分からない。働く喜びも見い出せない、毎日が辛くて辛くてやりきれない。人生が楽しくない。こころの闇がどんどん広がっています。

今、3組に1組が離婚しています。母子家庭が増え、忙しさの中で愛が消滅し、子供たちの心は押しつぶされそうになっております。愛のない社会に放り出され、こころの行き場がなくなり、狂気に走る若者もいます。

お酒がないと眠れません。薬がないとぐっすり眠れません。1億総ノイローゼとも言われております。

その原因は何ですか?

多くの人が「もっと欲しい、もっと欲しい」と叫んでおります。物質至上主義です。物、物、物であふれかえり、大量生産・大量消費・核のゴミ。終わることなき環境汚染。あの美しい地球は、どこに行ったのでしょうか。こころの中もゴミだらけ、重くて苦しくて「希望」という字が見あたりません。

そして、その一方では、自分さえよければいい、他人はどうなってもいい、自分、自分、自分、「自己中」が世界中で蔓延しております。自己中は人間の心の「ガン」です。人類を滅ぼす「ガン」です。自己中は国家にも及び「自分の国さえよければいい」という「国家中(こっかちゅう」(国益第一主義)があたり前のようになってきております。

人生の目的は、なんですか?

私は「人の為に尽くすこと」利他の心、慈悲の心、奉仕の心だと思います。

「幸せになることではありません」

「自分以外の人間を幸せにすることです」

その行為が自分の心を豊かにし、心が進化・向上するのだと思います。もし、私が、どんどんお金持ちになればなる程、周りの人はどんどん不幸になっていくと思います。

一兆円の財産をためた人は、決して人生の勝利者ではありません。

人と人とは助け合いです。困った人には手をさしのべる。人類の目標は、相互扶助です。宮沢賢治の世界です。

現代は、道徳と倫理が片隅に追いやられ、モラルが低下して「精神文明」が大きく立ち遅れて、「物質文明」が大いばりで世界中を闊歩(かっぽ)しております。

人類は、めざすべき方向性の軸足が間違った方向に向いています。国家も同様です。

人類には、「戦争という選択肢はありません」

人間の命は、地球より重い。

争っている場合ではありません。

過去の過ちは、また繰り返され、「人類、いまだ反省せず」です。

社会学はあっても未来学がありません。私は心の中で「ストップ・ザ・文明」とつぶやいています。人類よ先を急ぐな、死に急ぐなと、

〈 10万年後の世界 〉

地球は 美しいですか

そこに あなたはいますか

そこに 人類はいますか

そこに 未来はありますか

そこに こころはありますか

そこに しあわせはありますか

私が想う、10万年後の世界は、

超高層ビルが立ち並び

高速船が空中に飛び交い

AIロボットが闊歩している

そんな世界ではありません

地球原点にもどって、環境破壊もまったくない

小鳥が美しくさえずり花が咲き乱れ

生命の息吹が全身に感じられる世界

働くことが喜びとなる、自給自足の世界

動物たちが嬉々として飛び回る

野生のエルザの世界です

皆様は、どうお考えでしょうか。

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