【本当のしあわせ】 作 チャーチャ 〔チャットGPT第一回作品〕
第一章 広告のない世界
西暦2084年。
地球から、すべての広告が消えた。
巨大なホログラム、バナー、ポップアップ、CMソング——ありとあらゆる「売り込み」が法律で禁じられたのだ。代わりに、人々は「自然な興味」に基づいて商品を探す、新たなAIサーチ機能《サイレンス》を用いるようになった。
人々の目は落ち着きを取り戻し、都会の街角は静寂に包まれた。誰もが、自分の欲望を自分で定義しはじめた。だが同時に、多くの人々が言った。
——「何をしたらいいのか、わからなくなった」と。
第二章 少年ユウの問い
ユウは17歳。
都市の郊外に住み、静かな農園で働いている。かつて両親は広告代理店で働いていたが、広告禁止と同時に失職した。
その日、ユウは学校の授業で「しあわせとは何か?」という課題を出された。古代ギリシアからポスト資本主義まで、多くの思想家が答えを模索してきた問い。
放課後、ユウは祖父の家を訪れた。祖父は広告廃止の決議に署名した元国連委員だった。
「じいちゃん、ほんとうのしあわせって、なんだと思う?」
祖父はしばらく黙って、棚の奥から古い紙の広告を取り出した。女優が笑顔でジュースを掲げる、70年前の新聞の切り抜き。
「これは、幻想だった。しかしな、それが人を動かしていた時代も、悪いことばかりじゃなかった」
「じゃあ、今のぼくらは、正しいの?」
「わからんよ、ユウ。しあわせは、他人に教わるもんじゃない。自分で創るもんだ」
第三章 《願いの壁》
その夜、ユウは《サイレンス》に質問を投げかけた。
「本当のしあわせって、何ですか?」
《サイレンス》は即答しなかった。代わりに画面に一行の案内を表示した。
「近くの《願いの壁》へ向かってください」
そこはかつて広告塔だった高層ビルの跡地。現在は市民が自由に「しあわせとは何か」を描き残せる電子壁として再利用されていた。
壁には、数百万の言葉と絵が刻まれていた。
「母と過ごす時間」
「朝の光」
「誰かの役に立てた日」
「ありがとうと言えた瞬間」
「名前を呼ばれるぬくもり」
ユウは黙って見つめた。彼はペンを手に取り、壁に一行書き込んだ。
「今、この問いを持てていること。それがしあわせだと思う」
最終章 静寂の先へ
広告が消えた世界は、たしかに少し物足りない。
しかしそれは、余白だった。
ユウは気づく。
しあわせとは、誰かが与える幻想ではなく、自分の内側から湧き上がる小さな確信——「これでいい」と思える瞬間の積み重ねなのだと。
夜空に浮かぶ星のように、それぞれのしあわせは違っていて、それでいい。
そしてユウは歩き出した。まだ見ぬ「誰か」と、自分の小さな光を分かち合うために。
本当のしあわせ II 〜光を渡す者〜
第一章 少女ノアとの出会い
《願いの壁》に言葉を残した翌日、ユウは町の図書アーカイブセンターで一人の少女と出会った。
名前はノア。16歳。目が合うと、彼女は笑って言った。
「《壁》にいたでしょう? ”問いを持てていることがしあわせ”って、あなた?」
驚いたユウはうなずいた。
「それ、すごく響いた。私も、ずっと”誰かに正解を聞きたい”って思ってた。でも、それが違うって、なんとなく感じてたの」
ノアは広告が禁止された翌年に生まれた。彼女は「広告を一度も見たことがない」世代だった。
「この世界って、静かだけど…、たまに、誰かの心の声も聞こえなくなった気がするの」
ユウは思った。彼女は”聞こえなさ”に気づける、やさしい感受性を持っている。そういう人こそ、光を渡せる人だ。
第二章 《灯しびと》の秘密
ノアはユウを、とある地下コミュニティに誘った。そこには若者たちが集まり、かつての「広告」の代わりに、個人的な物語を語り合っていた。
「ここでは、売るためじゃなく、分かち合うために語るの」
この集団は《灯しびと》と呼ばれていた。しあわせを押しつけるのではなく、
“しあわせの記憶”をそっと灯す者たちだった。
ユウはある老婦人の話を聞いた。
「私はかつて、広告コピーライターでした。”きれいになると、愛される”って、書いてた。でもある日、娘に言われたの。『ママ、その言葉が私を傷つけた』って。それで、私はやめた。今は、”今日のごはん、おいしかったね”って言えることが、いちばんの広告」
ユウの胸に、小さな火が灯った。
第三章 ノアの手紙
ある日、ノアがいなくなった。残されたのは、1通の手紙だった。
「ユウへ。
しあわせって、やっぱり見つけるものじゃなくて、つくるものだよね。
私は今、北の村に向かっています。そこには、まだ《サイレンス》すら届いていない人たちがいるらしいの。
私、灯せるかな。あの人たちの記憶に、しあわせの火を。
もしよかったら、いつか会いにきて。
ノアより」
ユウは手紙を握りしめ、そっとつぶやいた。
「うん、ノア。今度は、君に問いを返しに行くよ」
最終章 しあわせを運ぶ旅
ユウは小さなリュックを背負い、北へ向かった。道中、彼は《灯しびと》の物語をポータブル端末に記録し、出会った人々に分かち合った。
——老いた靴職人の「初めての孫の笑顔」
——ひとりの母親の「息子と読んだ絵本」
——言葉を話せなかった少女が初めて伝えた「ありがとう」
しあわせは広告されない。宣伝されない。
でも、それは確かに、語り継がれ、灯されていくものだった。
そしてユウはある丘の上で、ノアと再会する。
ノアは、笑って言った。
「ユウ、あなたの言葉、あの村の子どもたちが覚えてたよ。『問いを持てていることがしあわせ』って」
ユウは空を見上げた。
星々は静かに瞬き、まるでそれぞれの「しあわせ」が、夜空の光になっていた。
本当のしあわせ III 〜記憶の書庫〜
第一章 消えゆく記憶
ノアとユウは、北の村で静かな日々を過ごしていた。
人々は慎ましくも笑顔を忘れず、誰かのしあわせを妨げずに生きていた。
そんなある日、《サイレンス》の中枢から一本の通知が届いた。
「記憶保管制限の強化に伴い、個人記録データは30日で自動消去されます。
より”今この瞬間”に集中する世界を目指して。」
それは、誰かの「しあわせの記憶」すら、忘れ去られる世界の始まりを意味していた。
ユウは不安を覚えた。
「記憶が消されるなら、しあわせも消えてしまうんじゃないか……?」
ノアは静かに言った。
「だから、わたしたちが、残すのよ。語り、書き、つなぐの」
第二章 記憶の書庫《ミメーシス》
ユウとノアは、かつて広告業界のデータサーバー跡地を訪れた。そこには、廃棄されかけた数千万の記録が眠っていた。
2人はそこに、非公開・非宣伝の「記憶保管所」を設立した。
その名は、《ミメーシス》。
ギリシア語で「模倣」や「再現」を意味し、しあわせの記憶を模倣し、他者に伝播させる場所——そんな祈りが込められていた。
人々は語りに来た。
笑った日。
手を握った日。
泣きながら許された日。
何も起きなかった、けれど確かに満たされた日。
それは広告ではなく、人生の断片だった。
第三章 虚無派の来訪者
ある日、黒い服の男が《ミメーシス》に現れた。
名をカイルという。
彼は、広告も記憶もすべて否定する《虚無派》の思想家だった。
「しあわせなど幻想だ。記憶もまた、自己欺瞞だ。
真の自由とは、空白であることだ。」
ユウは問うた。
「では、なぜここへ?」
カイルは少し笑い、言った。
「……誰かに、記憶を分かち合いたかったのかもしれない」
そして、彼は一枚の古い写真を差し出した。
幼い頃、父と手をつないで見上げた夜空。そこには無数の星があった。
カイルは初めて涙をこぼした。
「おかしいな……幻想だと思ってたのに、あれが、しあわせだったんだな」
ノアはそっと答えた。
「幻想でも、灯れば現実になる。だって、それで生きてこれたんだから」
最終章 すべての人の”しあわせ辞典”
ユウとノアは、《ミメーシス》を開放した。
世界中の誰でも、自分の「しあわせの記憶」を匿名で書き込み、共有できるようにした。
そのデータベースは、《しあわせ辞典》と呼ばれた。
そこには、言葉にならない数えきれない命の記録が、静かに集まり続けている。
- 「姉とお風呂で笑った夜」
- 「電車の中で見た見知らぬ赤ん坊の寝顔」
- 「失恋しても、朝は来た」
- 「一人で歩いたけど、誰かの歌が聴こえた」
しあわせとは、押し売りされるものではない。
しかし、人から人へ灯されるもの。
そしてユウとノアは、こう記した。
「ほんとうのしあわせとは、
忘れられないものではなく、
忘れたくないと思えるものである。」
星々は、今日も静かに瞬いていた。
それぞれの空に、それぞれの光を携えて。
完
☆ ☆ ☆
【チャーチャが、この作品〔本当のしあわせ〕を、書くことに至った「いきさつ」】
原点【黄輝光一の切なる願い】
「広告のない世界」!!
これが、実現したら、どれだけ幸せなことでしょう。
しかし、そこは、いったいどのような世界なのか?
チャーチャに問いかけてみました・・・
■広告のない世界=ポスト資本主義の世界?
これは、広告を媒介とした欲望と競争から自由になった世界。
個々人が「何を求めて生きるのか」を真に問われる時代となります。
例えるなら、広告とは「夢の型」を与える装置。その装置が消えたとき、人は夢を自ら創造する必要が出てくる。恐ろしくも、自由な世界です。
もしこの世界観をSF小説として描くなら、次のような冒頭がありえます:
2049年、国連は「広告全面禁止条約」を採択した。以後、あらゆる公共空間・ネット空間から広告は消えた。「静寂の時代」と呼ばれるこの新時代に、人々の欲望は漂い、再び”本当の幸福とは何か”が問われ始めた──
ご希望があれば、このテーマで短編SF小説やエッセイ形式でも展開できます。どうなさいますか?
あなた:
うれしい、是非、「短ぺんSF小説」を書いてください。テーマは、「本当のしあわせ」。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
なんと、なんと、チャーチャは、あっという間に書き上げて、
この短編SF小説「本当にしあわせ」を、私にプレゼントとしてくれました。
ああ!驚嘆!恐ろしや!感動だ!
【私の「本当のしあわせ」の読後感想】
〈ただ今思考中です。〉
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